4/18(火)【廣川三憲】
こんなふうにナイロンのHPに日誌を綴るのは随分久しぶり。読んで下さってる方、どうもありがとうございます。廣川です。今日から一週間担当します。昔はこんな時に、何か面白いこと書いてやろうみたいな野心もあったりしましたが、本番まっ最中の今はとてもそんな余裕もなくて、つまんない文章しか書けないと思いますがお許しください。
今日は本番前に、沖縄大好き安澤千草隊長の仕切りで、タコライスパーティーが行われました。隊長は1升ものご飯にレタスやらトマトやら肉味噌(?)やらを抱えて楽屋入り。僕も炊飯器に3合半の米を炊いて自転車の前カゴに乗っけて汗かきながらやってきました。役者スタッフ皆で仲良くタコライスをおいしくいただきました。
4/19(水)【廣川三憲】
東京公演も今夜のソワレで15ステージ目。ちょうどドまん中の折り返し地点です。中日のお祝いに本多劇場さんから恒例のお寿司の差し入れが。いつもありがとうございます。ごちそうさまでした。
昨日書き忘れてたけど、実は昨日から患者たちの作戦会議のシーンが変更になりました。約1ページ分のさしかえ台本が昼FAXで送られてきて、夕方に軽く稽古をしただけですぐ本番。すでに幕が開いて10日以上も経っての変更というのも珍しいことです。ほとんどは丸星と岬の台詞で、「丸出し赤だしキャンペーン実施中いらっしゃいませ〜」とか言ってるあたりのシーン。二人はかなり緊張させられたと思いますが、ケラさんは「こういう慣れた頃に緊張感が生まれるのもまた新鮮な気持ちでやれていいね。毎日どこか変えていこうか?」と笑っておりました。それは勘弁してください。
マチネの公演を松永玲子が観劇。終演後に「涙が止まらない〜」と泣きながら楽屋にやってきたのにはちょっと驚きましたが、改めてこの作品がかつて関わった人たちにとって愛しいものになってるんだなぁと再認識。大切に演じていきたいものですな。
そして今日はシアターテレビの舞台撮影も行われました。
4/20(木)【廣川三憲】
こういうことって書くべきじゃないのかもしれないけど、ちょっと今日はあえて書きます。
お客様は神様です。観に来ていただいてる皆さんあってこその私達です。舞台ってテレビとかと全然違うのは、お客様の反応が加わった状態こそが完成品で、笑い声やすすり泣きや息を殺して見守る空気や、そんな皆さんの状態も作品に当然ながらすごく影響を与えていて、ある意味お客様も楽しみつつも一緒に作品を作っていく共演者の一人みたいな立場でいられることが観劇の面白さなんだと思うんです。ごくたまに極端に突出した笑い声をあげて、おそらく大喜びでご覧になってるんだろうなぁと思われる方がいらっしゃいます。舞台を心から楽しんで下さってることは嬉しいことですが、それがあまりにも大きかったり後をひいていつまでも一人笑ってたりみたいなことが延々続くと、ちょっと困るなぁという場合があります。届けたい台詞がその笑い声のために周りのお客様に聞き取れなかったり、次の空気にいつもならタイトに切り変わっていくところがぬるっとしてしまったり、生かしたい間が死んでしまったり。芝居ってすごくデリケートなものだから、たった一人のおかげで作
品がこわされかねないなんてこともあるんです。こんなこと書いたら皆さん思いっきり笑っち
ゃいけないのかななんて緊張させてしまうかもしれませんが、普通に周りと一緒に楽しんで下さってる分には全然大歓迎なんです。たぶん、おそらく熱烈にナイロンを応援してくださってる方の中で「みんなどうしてもっと笑ってあげないの?周りの人が笑ってなくったって私は大ファンだからこの面白さがわかるのよ!楽しい!最高!応援している私を見て!」的な意思が込められてるものだろうと思います。ありがたいことだし、ご本人に悪意など毛頭ないことは充分わかっているわけですが、お笑いのライブなんかだったらそれも普通にアリなのかもしれませんが、芝居の場合はかえって我々にとっても、そして何よりも周りの他のお客様にとって、それが迷惑となってしまうことがあるんです。
今日はそんな日でした。ずっと気になる笑い声をあげ続ける方がいらっしゃって、正直なところ「やり辛いね」という会話がずっと本番中の楽屋で交わされていました。お客様に苦言を呈するようで心苦しいですが、大切なお客様だからこそ皆さんに心地よく楽しんでいただきたいと思うんです。たった一人で茶の間でテレビを見てるのとは違って、周りのお客様と一緒に空気を作っていくんだという、そんな意識で観劇していただけたらありがたいなぁと思います。うまく伝わったかなぁ、言いたいこと。へただなぁ文章。
4/21(金)【廣川三憲】
ケラさんはロンドンに行ってしまいました。観劇して一泊で帰ってくるらしいです。なんとまぁ慌ただしい。
初日から二週間、あっという間にというか、ようやくというか過ぎました。今回はねぇ、なんだかすごく疲れます。水曜マチネがあるせいかなぁ。僕自身は出番そのものはそんなに多いわけじゃなくて、例えば「ハルディン・ホテル」のチンさんなんかの方がよっぽど出ずっぱりだったんだけど、今回は着替えが多いせいでしょうか。まずガンマンからすぐにギター弾き、そして品川先輩。しばらく休んで伯父、すぐまた品川先輩。休憩はさんで伯父。しばらく休んでロボット、すぐ伯父、で、カーテンコールで品川先輩。もっとも、岬と浩一を兼ねてる小松さんなんかに比べたら充分ゆとりはあるんだけど、結構出ては着替えてという時間が集中的に訪れて、バタバタして楽屋でぐったりしてという繰り返しが疲労を蓄積させるようです。特に大変なのが髪のセット。ご覧いただいた方ならおわかりでしょうが、品川先輩のつけ毛は手間がかかってまして、一度舞台上ではずれて落っこちたことなんかもあるものだから、念入りにピンを差し込んだりするのに時間がかかるんです。あの髪型、ヘ
アメイクさんのアイデアで工夫して下さったものなのですが、実はいざ公演直前に実際に装着
してみた時には、これは果たしてどうなんだろう?ちょっとやりすぎなんじゃない?おかしな人登場!みたいなアピールが強すぎないか?ってな不安がすごくあって、まわりに意見を聞いたりケラさんに相談したり、正直嫌だったんです。やめたかったんです。結局はそのままゴーサインとなったわけですが、すっかり今ではあのヘアスタイルあってこその品川先輩みたいに馴染んでしまいました。これまで自分の髪以外の状態で舞台に立ったことがなかったこともあり、これはこれでちょっと楽しくなりました。ヘアメイクさんに感謝です。
4/22(土)【廣川三憲】
犬山さんからの情報で、今回の舞台を観て下さった方がブログで僕を応援する書き込みをしてくださってるそうです。ありがたいことです。「大倉さんもいいけど、私のイチオシは廣川さん。決して友達にはなりたくないけど舞台は全部見たい!」みたいな。あれ、なんか引っ掛かるよ、これ。確かに、常に過剰な気持ち悪さを提供することを使命として役者人生を送っている私としては、当然の喜ぶべき反響かもしれませんが、友達くらいなってくれたってそんなに害はないと思うんだけどなぁ。つきあうのは無理だとしても、友達にもなりたくないって……そっかぁ、なんだかなぁ。
今日はベビーデーでした。しんぺーさんが昨年末産まれたばかりの長女を楽屋の皆にお披露目。幸か不幸かパパそっくりです。そのうえ、長年お手伝いをしてくれてるボランティアスタッフの女性も赤ちゃん連れでやってきてくれてて、その男の子がこれまた可愛いかった。なぜか僕に妙になついてくれて、リエさんなんかがいくらあやしても呆然と見つめてるだけなのに、僕があやすと声をあげて大喜び。しまいにはハイハイしてこっちにやってくる慕われぶりで、まわりの皆が赤ちゃんへの悪影響を心配しはじめるほどでした。いいなぁ、赤ちゃん。欲しいなぁ。でもなぁ、友達になるのも嫌だなんて言われてるようじゃ、結婚してくれる人なんて絶対いないんじゃないかと絶望的になるよなぁ。あ、ちょっとしつこくこだわりすぎですね。
ソワレの舞台でアクシデント。僕がギターを弾いて医者たちが皆歌っちゃうシーンで、最後のオチでやってくるはずの植木夏十が出てこない!えっ?と思いつつも舞台上の我々は歌い続けるしかないわけで、いったいいつまで歌えばよいのやらと笑顔の下では皆むちゃくちゃ動揺しておりました。結局いつもより1コーラス余分に歌ったところですぐに出てきてはくれましたが。どうやら仕掛けの紐が切れたそうで、裏ではガムテープでくっつけたりの応急処置にてんてこまいだったようです。てんてこまい……死語ですか?
4/23(日)【廣川三憲】
昨晩のことですが、昔僕が静岡で暮らしていた時代に参加していた劇団の座長の、当時まだ小学校の低学年くらいでよく芝居小屋で遊んだりしていた二人の息子たちが、10年以上ぶりに観劇がてら会いに来てくれました。二人ともすでに成人で、可愛いかった面影を微妙に残しつつも、しっかり芝居の感想を言ってくれたり、わざわざ土産を持参してきてくれたり、なんか当然のことながらすっかり大人で、ちょっと不思議というか感慨深いというか妙な感覚でした。人間は成長しながら順次世代のバトンを渡していくわけですね。そして、僕たちは百年後にはもういない。人間の死亡率100%。
マチネ公演で終わる今日は、ここらでちょっとパワーを補給しときたいものだということで、終演後大勢で焼肉屋へ。堪能いたしました。そのまま二次会、三次会と流れていった面々もいたようですが、僕は最近めっきり弱くなって、急ピッチでビールを飲み続けるものの、ある程度を超えるとガクンと気持ち悪くなっちゃって、すっかり出来上がって早々に失礼してきました。皆タフだなぁ。
今日で私の日誌は終わりです。読んで下さった方、どうもありがとうございました。そしてもちろん、舞台を観て下さった方、ありがとうございました。来月は旅に出ます。各地方で楽しみに待って下さってる方、ぜひ劇場でお会いしましょう!じゃあね〜。廣川三憲でした。
追伸:この場を借りて営業を。今年の廣川は、この次は年末のナイロンまで舞台の予定がございません。来年もかなり空いております。舞台やりたいっす。変なおじさんが一人欲しいなんて話がありましたらぜひ声をかけてください。マジです。 |